真夜中の五分前 side-A (1) (新潮文庫 ほ 18-1)
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本多 孝好
新潮社 (2007/06)
売り上げランキング: 20366
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★★★★
やはり本多さんは大好きだ。
つまり君たちが作ろうとしているのは、とオーナーがいった。
「私達です」と僕はやんわりと訂正した。「我々とあなた、私達です。
バカいうなよ、と僕はいった。「明日、会社だろうが」
「だからどうした」と友人はいった。
「久しぶりに会って変わったと言われれば大概の女は気を悪くする」
自分自身を哀れむことのおろかさを僕は初めて自分に許していた。
人は、顔を見ているとその人を好きになっていくって。
無限のタイプがあるように見える恋人たちだって、発端と成り行きと終わりには、そんな豊富なバリエーションがあるわけではない。それがとんでもなく前衛的な恋愛でない限りは。
マイナス面をライターに預け、その通りに書かせた。その結論に「だから悪い」とするところを「だからいい」とすればいいだけのことだ。古い、だから悪いのか、古い、だからいい、のか。実態を変えられないのなら、そこから導き出される判断を変えてしまえばいい。
正論だった。非の打ち所のない正論だった。けれど、もちろん、正論は、ただ振り回せばいいというものではない。