★★★★
石田さんの短編集。おもったよりすげー良かった。恋したくなる一冊です。恋愛ものとしては珠玉では。もちろん男性よりだけど。
泣いた後は敏感になるのだと、どこかの女性誌のセックス特集で読んだけれど、実際園通りだった。
ある日本人の哲学者はまじかに性行為をするのが確率した時間に感じるときめきを、「かけがえのない充実した生の経験」であるといった。ぼくはそれに、ほとんど口をきいたことがない女の子との最初のキスまでの時間をつけ加えたい。
でも、毎年百人も宝くじの一等にあたる人がいるように、何人かの女の子とつきあっているとそういうことがたまにあるのだ。
スティーヴィーワンダーが来日したとき、目が見えなくてもパーティ会場d叡智版きれいな女の人にあたりまえのようによって言ったって話しっている。
ねえ知ってる。恋愛小説の90%は美男美女がでてきてなんらかの渉外にあい、ハッピーエンドになったりならなかったりする話なのよ。
ノー・チャンス!
困った顔、怒った顔、すまなさそうな顔、誰の顔にもその人のあらゆる表情のベースになる基本的なトーンがあるけど、彼女の場合それは超然とした微笑だった。ぼくがその冷たい笑顔から受け取ったメッセージはひとつだけだ。それは「わたしはわたしをとりまくすべての状況にまったく関係ない」というものだった。
「あなたの着替え、だしておくね。さあ交代。
ぼくは歯ブラシをもって、蒸し暑いバスルームにはいった。歯を磨いていると、薄い扉のむこうからヘアドライヤーの音がゴーゴーと聞こえてくる。
このままフリフリの状態を維持しながらゆっくりと意図をたぐるように彼女に近づいていければいい。激しくも強くもなく、心にとめておける女性がいる。それだけで憂鬱な12月が、うす曇の空のように穏やかに明るくすぎていった。
