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2006年05月13日

I've fucked up

raining.bmp

飲みすぎた金曜日の夜。
渋谷から歩いて帰る朝の4時。

六本木通りは、
眠ることを知らない。
昼は、車が道を多い、
夜は、酔っ払いが道を覆う。

青山トンネルでは、
昔の喧騒と嫌悪と後悔が木霊する。
ゴーストよりも、もっと厄介な。
一度、墓地に埋まった記憶たち。

頭痛に耐え切れず、西麻布の交差点を過ぎたセブンイレブンで、
グレープフルーツジュースを買う。
お釣りの5円を募金箱に入れ、
ストローのケースをゴミ箱に入れる。
 1つ自然破壊をし、1つ偽善をする。

何度、この道を歩いたろう、と考える。
渋谷から、クロスタワーを左に眺め、
モンスーンカフェを交わす。
外国人と芸妓に溢れた西麻布の交差点を通り、
ヒルズの下に至る。
眠らないテレビ朝日の社屋を眺めながら
けやき坂下のスタバも眠ることを知る。

楽しかったな、と一人ごちながら、
気分わるい、と独りぼやく。
ipodからは、カナダの歌姫の声が聞こえる。

I'm broke but I'm happy
I'm poor but I'm kind
I'm short but I'm healthy, yeah

気がついたら、土曜日の朝で、
案の定という言葉しか似合わないような、雨の土曜日だった。

雨の日の休日は読書と相場が決まっているのだが、
読書さえも似合わないようなどんよりとした雲を
ひとしきり睨みながら、煙草が欲しいなぁ、と脳裏に掠める。

なんだか、
部屋の中も、頭の中もMessyで。
日課としてのPCを開けるも、
文字を追えず、何も頭に入ってこない。

今日はネジをまかないことに決め、
とりあえずパジャマのまま、
近所のスーパー「ポロロッカ」へ向かう。

時に、スーパーというものは癒しの力を持っている。
みずみずしいトマトとキャベツを見ていると、
なんだか、雨も許せるような気分になってくる。

そういえば昔、むかしの話だけど、
電話帳に「パセリ」という名前で登録していた女の人が居たことを
思い出す。
その人はパセリとは、何も関係なかったのだけど、
僕の中での符号としては、居心地が悪くなかった。
パセリからの電話は、よく0時前後にかかってきたものだった。
 パセリは宵っ張りなんだと思う。
そして、僕はセロリが食べれない。

くすんだ体をホグスには、料理が一番だ、
と勝手に決め込んで。

そして、久しぶりに麻婆豆腐をしよう、と思い至る。

たまねぎ1玉、ニラ、京都産の絹ごし豆腐。
そして、1リットルの牛乳と
ハーゲンダッツのマカデミアナッツの購入する。
 そして、なんとなくエビスビールを手にとって、
一度戻して、結局、黒のエビスに落ち着いた。

部屋に戻り、湿気で一杯の息がこもる部屋にひきこもる。
ティファールのフライパンに火をかけ、
換気扇を回す。

そういえば、村上龍は、お湯が沸くだけまでのシーンを30ページに渡って
書く練習をしていた、ということを思い出す。
くだらない、と口に出しながら、30ページを構造化する自分が居る。
 映画だったら、エスカレーターですれ違うだけのシーンを描いた2時間映画が
あるらしい。くだらなくなくない。
落ちたハンカチで始まる恋もあるならば、
エスカレーターですれ違うだけで終わる恋があっても良いはずで。

ニンニクと、しょうがをフライパンでいため、
軽く中華油をひく。

たまねぎをみじん切りにし、
ニラを炒める。

中火だったか、強火だったか思い出せない。
1つ思い出せないことを気付き、
そして連鎖的に、あらゆることを忘れている自分に愕然とする。

あんなにも毎日作っていた麻婆豆腐が
作れなくなっている。それを知り、
自分が、そんなにも遠くに来てしまったことを知る。
誇張して言うならば。

遠くきたならば
遠くの地なりの料理のレシピもあろう。

勘で水を足し、勘で豆板醤を入れる。
鶏がらのパウダーをいれ、酒を適当に混ぜる。
肉の代わりにツナ缶を入れ、
少し煮立たせる。
とろみをつけて、隠し味だ、としょうゆを入れる。

誰にも見られることのない麻婆豆腐が一皿出来上がる。

素晴らしい料理の要素の1つとして、
1つの鍋で完結する、ということがあるように思う。
今のところ、例外はオムライスくらいだ。

昨夜の小説に出てきた
「ブラウンシュガー」がかかる。

雨は止まない。
だったら。

だったら、「Sex and the city」のシーズン6を借りた。
そして、どうしてももいっかい見たかった「プリティウーマン」を借りる。
ジュリアロバーツは永遠だ。

春樹は
「年をとることの効用は、興味範囲が限定されることだ」と言っていたが、
加齢に反比例するように、
興味のある映画が減ってきたように思う。
良かれ、悪しかれ。

B級映画に手を出すことは少なくなったし、
ハリウッドの大味の続編を見るよりは、
昔見た映画をもういちど見たくなるようになってきた。

リアリティバイツであれ、レザボアドッグスであれ、
ウォンカーウェイであれ、スワロウテイルバタフライであれ。

雨はまだ止まない。

夏目漱石は、雨の日に向いている。
曇りの日も、晴れの日にも向いているのだけれど。

「君、私は君の目にどう映りますかね。
強い人に見えますか、弱い人に見えますか」
「中ぐらいに見えます」と私は答えた。

この答えは先生にとって少し案外らしかった。
先生はまた口を閉じて、無言で歩き出した。

郵便物が届く。カードの書留。
そして、今日、新聞を取りにいっていなかったのを思い出す。

ライブドアの無線LANがうちの建物にも届いたという連絡、
金曜日の夕刊、
土曜日の朝刊(アップルとソフトバンク云々)、
土曜日の別紙(マナーどうのこうの)。
そして、冊子小包(短歌ヴァーサス)、
宅配ボックスにはダンボール。そして、
日興コーディアル証券の書類、パンフレット。

世界は紙で溢れている。
神が居るのかどうかは知らないが、
紙は、世界に溢れている。

 マングローブが霧散しようが、
マレーシアの樹林が泣こうが、
明日が笑おうと泣こうと、紙は世界に満ちている。

田口さんのブログで知って、即買いしたBrita アルーナ 1.9Lで、ぐびぐび水を飲み
麻婆豆腐の辛さを消す。
甜麺醤を入れすぎた。
何事も、過度はよくないらしい。
それでも、人はまた上り、落ちていくのだろうけど。

部屋は、まだMessyだ。
部屋だけだと良いのだけれど。
携帯が鳴る。

さて、今日は、何の予定があったろうか。

投稿者 kaz : 2006年05月13日 17:01

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コメント

ありそうでなかなかない1日ですよね。
一日が夢の中というか…

なんかBeatlesのa day in the lifeを思い出しちゃいました。
人生の中味ってこういうことなのかなぁとしみじみ;

ちょっとだけ気になったのは、紙の世界の部分で
「神」は「紙」に置き換えられたと考えてみてはどうでしょうか~?
信仰心を言語化すること自体に矛盾を含むから~
紙が氾濫した世の中に神の居場所なし?

とにかくこういう日記はおもしろいと思いましたとさ^^

投稿者 やん : 2006年05月15日 18:19

Beatlesは永遠ですね。
ええ、色んな意味で。
ちなみに、この日は60年代ロックがかかっておりました。

紙は神としても、なかなか神妙なのですが、
あまりにも紙に囲まれた私にとっては、
いかにも八百万の神々が回りを取り囲んでいるようで、
恐怖で御座います。(:

コメントありがとうございます!

投稿者 原田 : 2006年05月21日 17:05

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