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BGMと事件

ある日、目が覚めたらどこからか曲が流れてきた。夏の日の子供だったら、ラジオ体操を思い出すのだろうし、あるいは、村上春樹なら「遠い太鼓」を思い出すのかもしれない。しかし、その時に聞こえてきたのは、ランバダのような、レゲトンのような、MCATのような、ワルツのような、総じて言えば、全く何の曲かわからないメロディが流れてきた。その曲を耳にしながら、ぼんやりとした意識を、意識上に引きずり出す。今、自分はそもそもどこなのか?今何時なのか。強い日差しが眩しくてうまく目が開けられない。肌が汗ばんで、シーツが濡れている。そこでシーツがあることに気づき、自分がいわゆるところのベッドの上で横たわっているのに気づく。曲はテンポが代わり、またかろやかに流れ出した。シャッフルリピートだ、とどうでも良いことをつぶやく。リピートということは自分はこの曲がリピートされたことを知っているわけで。いずれにせよ、二日酔いに準じたこの頭痛がどこかにいってくれないことには、なんとも思考をまとめることができない。朝、起きたら知らない場所にいた。そんな小説がどこかにあったな、と思い出す。岡島二人だったか、宮部みゆきだったか。あるいは、そのような小説をいつしか憧れていたけれど、日常において、気づけば自分の知らないところにいたなんてことはめったになくて。もちろんお酒をよく飲む人はそんな経験よくしているのかもしれないのだけれど、お酒の飲めない自分はそんなことはあまりなくて。いずれにせよ強い日差しとiPodだかiPhoneだかからのテンポのよいメロディのマッチが何かしら心地よく頭痛のつらさも相まってそのまま目を閉じてふとつぶやく。事件とは日常の延長にあるのではなく、日常の相対性の中にあるのだ、と。

5分32秒(今日はニシヤンに2タンゴ教えて!と聞いたら、BGMと事件というタンゴが帰ってきましたとさ。タンゴ!)


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