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ある冬の1日。もしも私がリスならば。

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目覚ましがなる。7つセットした時間のうち、大体3つ目くらいが鳴り出すと目を覚ます。2度寝をすることは「あまり」ない。

この目覚ましの時間はほぼ固定で大体5時半から8時までのレンジに分散されている。まず最初になるのは携帯電話。目覚ましとしてしか存在価値のなくなったMOVAドコモの古い携帯がまず鳴り出す。ソニエリの携帯らしく電子音だ。

そして、それが2つほど鳴った後に、ドンキで購入した「爆音」の目覚ましが鳴り出す。たまにこれでさえも目が覚めることはない。音と人の眠気は相関関係にはない。関係あるのは、有事と眠気の問題だけだ。

いずれにせよ寒い時期は朝が辛い。必死で体を起こし、寝ぼけ眼のまま、パンを模索する。寝ぼけたまま、パンを探すことほど苦痛なものはない。パンがないと買いに行かないといけない。パンは全てのアルファであり、オメガである。

そして珈琲を入れながら、電力セーブされているパソコンをたたき起こす。珈琲の水がコポコポと珈琲メーカーに注がれる。珈琲の匂いをかぎながら、もさもさとメールをチェックし始める。珈琲が溜まるとともに、眠気も反比例して覚めていく。

メールのチェックが終わると、珈琲が入り終わっている。かれこれ8年間同じ珈琲を毎朝のみ続ける。少量のミルクを継ぎ足し、チョコレートの入ったクロワッサンをかじる。味がよくわからないまま、もさもさ食べる。パンの粉が机の上に落ちる。吹かなくちゃ、と思いながらブログを眺める。たまには「ふーん」と言う。

メールの次はRSSリーダに移行し、ブログの確認を行う。そして、その後の活動はその日の予定によって変わる。世の中の素晴らしい点は、昨日は今日の前日であり、明日は今日の翌日であるという点だ。同じ日が繰り返すことは原則的には存在しない。

たまには朝からジムへ行く。自転車で、六本木までの坂を駆け上がる。手がかじかみながら、冬の気持ちよい朝に目が覚めていく。ただし、寒さによってもはや思考能力はリス並だ。たまには涙を流しながら、六本木通りを自転車で走る。

ジムでは、まずランニングから始める。音量をMTVにセットしながら、レベルを2にし、ゆったりと走り始める。そして、持参した小説を読みながら、じっくり本を読む。ここで読む本はビジネス書であることはない。98%が小説である。なぜか恋愛小説かミステリーで、硬い小説はここでは会わない。MTVのBGMとランニングが合うのは、そんな小説なのだろう、と2年間の経験則で理解した。

小説の続きが気になりながらも、マシンが35分で動きをとめる。ルーティンとしてストレッチをこなし、マシーンに移動。移動する距離は大体10歩。

8種類のマシーンをテンポよくこなし、たまに埋まっているマシーンをさりげなく待つ。今日はウェイトを上げるかどうか悩みながら、やっぱり回数を上げることに注力する。人生は選択の連続である。それ1つあたりの単価や時間を上げるのか、あるいは種類や回数を増やすのか。まったくもって、仕事と同じだ。

インストラクターの人たちが挨拶に回っている。スポーツをしている人の笑顔が綺麗なのは、これは汗の効用なのだろうか?恐らく、単に体を動かしている自分の感受性が、世の中に優しくなっているからなのだろう。

マシーンが終わるとプールに移動する。すいている時間を狙うので、大体、1レーンはあいている。ゆっくりとクロールで100メートルを泳ぐ。それを何本か泳いで、ゴーグルが顔を痛めつけ始めるころ、ささやかにプールから上がる。泳いでいる間は何も考えない。せいぜい考えるのは、泳ぐシーンの小説や映画のフレーズだ。

シャワーを浴びて、髪の毛を乾かす。筋肉の付かない体を横目で見ながら、いそいそと服を着る。このあたりから、次の予定を考え出す。

心地よい疲労感とともに、ビルを出る。冬の風がぬれた髪に冷たい。目が覚めた、と思いながら坂を下る。


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