
Soupというものがある。
太宰治でいふところの「スウプ」というものだ。確か。
日本の食事処では、そこまでスープの重要度は
低いように置かれている気がする(気のせいかも知れない)。
#あるいは和食メインだから当たり前というはなし。
主観だけど、なんというか、
アメリカの方がスープが強気だった気がする。
(何度もいうが気のせいかも知れない)
そういうことで、アメリカでの食事では
やたらスープの記憶が強い。
スープは、時に、それだけで主食になる程のポテンシャルを秘め、
あるいは受験生に一時の安らぎを与える。
または、食の番人を務め、同時にマナーの監視をこなす。
嗚呼、スウプ。
以下、どこにもたどり着けない
どうでも良い個人的スープの記憶(あくまでも主観)
■オニオンスープ
数日煮た極上モノは、
事実を凌駕するほどの記憶を延髄に叩きつける。
■キャロットスープ
まさに「人参をスープにしましたが文句ある?」的な
まっとうな主張を前面に押し出したスープだった。
■ミソスープ
アメリカンジャパニーズ
ミソスープは、「とりあえず根菜詰め込んで味噌ぶっこめ」という
見た目なのだが、味は悪くない。味噌汁の毛皮を着た味噌スープであった。
■ヴィシソワーズ
冷たい。いわゆる冷製イモのスウプ。
このじゃがいもの濾し具合が全てを決めるわけであり、
家ですると失敗すること多し。
■コーンスープ
日本で、もっとも飲まれているスープの1つじゃないかしら。
個人的には、コーンスープの価値は、濃さよりもむしろ、クルトンによって決まる気がする。
■トマトスープ
キャンベルのトマト缶を彷彿とさせるということは、ウォーホールを作ったスープでもある。
美味いところは、極上に美味い。
日本でも生のトマト缶があるが、なかなか難しい。
■ミネストローネ
身体によさそうだけど、多分気のせい。
■チキンスープ
どこにでもある。チキンコンソメさえぶっこめば、すぐに完成。
簡単なスープの代表格。日本の味噌汁的存在感。中華風もある。いわばイエローキャブ。
■チリスープ
メキシカンの店でよく食べた。ビーンズがうまい。
もぐもぐたべる。この辛さもピンキリだが、本物の辛いのに当たると病み付きになる。
ブラジルでは、さらに豆が2倍増くらいだった。
■サワースープ
中華でよく出てくる卵のすっぱいスープ。
メイメイでよくデリバリーすると、これが大量に詰まって届けられた淡い記憶。
などなどスウプ。
■クラムチャウダー
そして、何より記憶に強く残っているのが
クラムチャウダー。
人生で一体、何十杯飲んだだろうか。
あるいは、これから何杯飲むだろうか。
クラムチャウダーの飲んだ杯から数える人生だって、
それなりの権利を有するだろう。
大別して2種類ある。
白いのと赤いの。
前者はイングランドだかボストンだか呼ばれる。
後者の赤いのはトマトベースで、マンハッタン。
スウプ。
NYはマンハッタンにある
グランドセントラル駅の地下に
「オイスターバー」という店がある。
#日本の品川にも、あるみたいね。
観光客においても、あるいは、地元においても
それなりに有名で、日本で言うならば、
美登利寿司並の知名度ではないだろうか(適当)。
映画にも使われることもあったハズ。
名前の通り、
「オイスター」=牡蠣が美味く、
雰囲気も悪くない。
フロンティア時代のアメリカを彷彿させるような(イメージです)。
スウプ。
先日、
そこでの、クラムチャウダーの話になった。
「ねえ、あそこって、赤だった気がするんだけど」
「うん。そうだったと思う」
という話を交わした。
遠く離れた場所で、離れた時間に同じ物を食していた記憶を
同じ場所で、同じ時間に想像するというのは、
非常に絡み合った、不思議な記憶だった。
帰って調べたところ、面白い事実がわかった。
オイスターバーには
「ボストンクラムチャウダー」も
「マンハッタンクラムチャウダー」も
両方、メニューにあったのだ。
しかし、それでも、同じクラムチャウダーの記憶は存在した。
そして、その記憶を介した会話が存在した。
それだけの話。
示唆も、結論も、何もない。
クラムチャウダーのような、濃厚な後味も、ない。 多分。

