友よ
今日、友人から電話があった。
小学校からの友人で、親友と言ってもいい。
高校からは疎遠になったが、去年、僕が海外に行く前に酒を交わし、
再び、連絡を取るようになった。
彼は、新卒2年目になる。
京都で一人暮らしをし、とある企業に勤めている。
1年目は、まだやさしかった。
地獄が始まったのは2年目からだ。
休みは、まったくなくなり、
日々、朝7時から、深夜1時まで働く日々。
営業で、駆けずり回り、警察に切符を切られても
経費は落ちるはずもない。
「免許更新して一ヶ月もたってないのに2回も切られたよ。
これが仕事だ」
彼が電話をくれる時は、
たいてい、彼が運転しているときである。
そんな時しか、時間がないんだ。
「アポまであと5分あるから、話しよう」
と、彼は電話をくれる。
彼はいま、心底参っている。
「女はどう?」
僕は聞く。
彼は、僕が惚れ惚れするほど、かっこいい。
僕が、そういうと、
「早く、ゲイをカミングアウトしなよ」と彼なりの
ブラックジョークで切り返す。
「うーん、こないだ女子大生と遊んだんだけど、
つまんないね」
さも、ありなん。
彼は社会で必死に漂流しながら、フラッグを振る戦士。
彼は、京都で、今、つかの間の眠りに入っている。



