「ちょいと粋なお姉さん、まっておくんな」
「なんぞなもし」
「ハンカチが落ちましたよ」
「ギャフン」
「おやおや、どうなさった?」
「大丈夫ですわ。ちょっと頭痛が」
「そりゃいかん、ちょいと見せてみろ」
「うーん」
「ああ、これは、ホオズキじゃ、ホオズキじゃ」
「なんと申されたか?」
「しこたま不味い。これは急がんと」
「ガンですか?」
「いや、gunじゃ」
「きゃー、なんてことをなさりまするの」
「失敬、失敬、取り乱してしもうたわ」
「なんのなんの。まだまだがってん承知のすけ」
「およよ、それはなんじゃ」
「これは、おむすびですよ」
「転がるのかの?」
「転がりませんわ?」
「なぜころがらん?」
「私の人生がころがってばかりだからですわ」
「なぜころがってばかりだ?」
「転がらなければ、苔が付きますもの」
「海苔か?」
「苔ですわ」
「蜘蛛の巣か?」
「カンジダですわ」
「それを言うならカンダダであろう」
「そうかも知れません」
「誰が言った?」
「何も言いませんわ」
「おかしいな」
「おかしいですか?」
「そうかもしれんな」
「そうかもしれませんね」
「違うかもな」
「違うかもしれませんね」
「やや」
「いかがなされましたか?」
「ややもって、はこたまわらん」
「なんのことやら?」
「まことに遺憾」
「ああ、それはいかん」
「そうですわね」
「そうともさ」
「よもさ」
「せっぱ」
「ああ、いずこへ」
「izukoとは?」
「昔の女ではない」
「どうかしら」
「人の過去なんて誰がいえよう」
「反語かしら」
「半魂胆ですわ」
「あらそうね」
「あ、ああ・・そうね」
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